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わがままなのか病気なのか

医者

心の根底にある不安と葛藤

知らない人と接するのが苦手なので、不特定多数の人に接客する今の部署は耐えられない、会社に来ると息苦しくなるなど新型うつ病あるいはプチうつといわれる症状を持った人が、近年は精神医療の現場に増えています。その多くが20代の若い世代で、様々な職場で休職申請者が急増し、上司や人事担当者の頭を悩ませています。ただのわがままのように見えるなど、以前のうつ病とは違うことから困惑する人も多いです。確かにこれまでの医療現場で使われてきたうつ病の診断基準ではなかなか診断しづらいという特徴もありました。なぜなら新型うつ病は昔からあるうつ病とは正反対の症状がでることが多いからです。しかし、近年の日本のうつ病患者の7割近くが新型うつ病などの非定型のうつの範疇とされています。わがままなのか、それとも病気なのかという判断において、医療現場では身体的な症状がでていれば、それは病気だと判断されます。つまり、上司の顔を見るのがイヤだというのは、ただのワガママですが、上司の顔を見ると息が苦しくなり呼吸困難を起こしてしまうというのは病気です。しかし、そうした症状を訴える人がすべてうつ病かといえばそうではないので個別に判断されます。本来、労働者のうつというのは働き盛りのビジネスマンに多く、激務に疲弊し、生真面目な人が深刻な問題などに追いつめられて発症するのがひとつのパターンでした。しかし、新型うつ病を発症する人の根底には嫌なことから逃れたいという逃避的な心理があります。つまり、ストレスや辛いことを受け止め続けて心が疲弊するではなく、そこから逃れたいという気持ちからうつを発症するというわけです。そのため、抑うつや無気力、倦怠感などの症状を呈していても、正反対の病理を持っています。一番よくあるのが、好きなことはできるけど、やりたくないことをしようとするとうつの症状がでてしまうということです。また、自分の失敗や都合の悪いことはすべて周囲のせいにしたりする傾向も一つの特徴になります。自分のミスや力量不足を他人のせいにしてしまうことも多いです。これらの特徴は、どちらも逃避的な心理背景からもたらされるもので、嫌なことや苦しいことを回避して自分を守ろうとするために、こうした態度をとります。それがワガママだと考えられてしまう原因でもあります。しかし、心理的逃避が原因とは言え、新型うつ病が深刻な病気でないというわけではないということを理解しておくことが大事です。常のに心の根底に不安や葛藤を抱えている人が多く、それがささいなことでマグマが噴出するように症状となってあらわれることも少なくありません。特に突然呼吸硬軟に陥るあるいはその恐れがあるからと不安になっているようならかなりの深刻な状態であるので、早期受診を心がけることが大事です。不安になればなるほど身体症状が悪化して、仕事にもけない、外出もできないなど日常生活に大きな影響を与えてしまうので注意します。パニック発作以外にも、過食なども新型うつ病が進んでいるサインなので見逃さないようにして、診断後しっかりと治療を受けることが大事です。